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高齢者の心筋梗塞:悪化と再発を防ぐには?

2017-05-03 12:46:42

心筋梗塞を主とする虚血性心疾患は高齢者にとっては命にかかわる疾患であり再発例、冠動脈多枝病変、他疾患合併が多いという特徴があります。従来、治療は難渋しましたが近年、医療技術の発達により超高齢者であっても冠動脈カテーテル治療やオフポンプのバイパス手術などの身体への負担が少ない治療が可能となり、かなりの方が後遺症なく回復されるようになりました。

しかし一旦よくなった場合でもその後の養生が悪ければ心臓機能の悪化による心不全や心筋梗塞の再発がおこることがあります。心筋梗塞は心臓の一部が死んで動かなくなる病気ですので再度発作が起こってしまうと生き残った部分が少なくなってしまい、心臓のポンプ機能が障害され労作時の息切れなどで日常生活はかなり制限されます。従って心筋梗塞の後は、もう一度心筋梗塞の発作を起こさないように、また傷害心筋を労わるような治療と日常生活の注意が重要となります。

まず心筋梗塞の再発作を起こさないためには持病を見直し冠動脈危険因子の有無を確認します。危険因子のうち特に血中悪玉LDLコレステロールを低下させる治療は重要です。さらに高血圧と糖尿病の管理と禁煙、肥満の改善、適度な量の運動などが再発作の予防に重要です。 

心筋梗塞は多かれ少なかれ心臓の機能は低下しています。心臓の機能を保持させるには心臓の仕事量をできるだけ減らし心臓を労わることが重要です。日常生活では精神的ストレスの増加で無用に心拍数を上げないように、穏やかな生活を心がけましょう。心臓の仕事を減らすことに関し、最近、「β遮断薬」と言う薬が高い効果を上げています。これは交感神経の働きを抑え、心拍数と血圧の上昇をともに抑える薬で心臓の仕事量を軽減でき心筋梗塞後の再発作、心不全、突然死の防止に役立っています。

心筋梗塞は致命的ですが十分対応できる疾患でもあります。心筋梗塞という病気の実態やその対処法についての正しい知識をしっかりと身に付けて元気で楽しい生活を長く送られることを祈っております。

           (東住吉区医師会理事 岡部 眞)