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脳卒中後の社会復帰について

2014-10-02 16:58:08

 みなさん、脳卒中とはどのような病気かご存知ですか?
 脳卒中とは、脳の血管が破れて出血したり、血管がつまって脳が壊死する病気のことです。血管が破れて出血すると脳出血、つまると脳梗塞と診断されます。さらに脳出血は脳内出血とくも膜下出血に分かれます。


 脳内出血は高血圧などが原因でもろくなった血管から脳内に出血をおこします。症状は頭痛、意識障害や呂律障害、手足の麻痺などです。ひどい場合は死に至る場合があります。出血が少ないと安静のみの治療で回復する場合もありますが、出血が多い場合は手術で血液の塊を取り除く場合があります。この場合は手足の麻痺などの後遺症をきたすことが多いです。


 くも膜下出血は、血管にできたコブ(動脈瘤)が破裂し脳と脳のすきまに出血をおこします。症状は非常に強い頭痛や意識障害です。治療として、血液により脳が押しつぶされるのを防ぐため、圧を逃がす手術をしたり、血管のコブをクリップでとめる、あるいはコイルでふさいだりしてさらなる出血を予防します。これらの治療を適切に行っても死にいたる場合もあります。


 脳梗塞は、脳内の血管が動脈硬化により細くなってつまってしまう場合や、脳以外の臓器から血管を通じて異物が飛んできて、血管をつまらせてしまう場合におきます。症状は脳出血と同様、意識障害や呂律障害、顔や手足の麻痺などです。脳梗塞が広範囲におよぶと死にいたる場合もあります。治療は、発症早期であれば血管のつまりを溶かす薬剤を点滴で投与し、症状を改善することもできます。また、脳の浮腫を軽減する薬剤を投与することもあります。


 このように脳卒中の治療は時間との戦いです。これまでに経験したことのない頭痛、意識がない、ろれつがまわらない、顔面がゆがむ、よだれがでる、のみこみが悪い、手足が動きにくい、感覚が鈍い、などの症状が出た場合は速やかに医療機関を受診する必要があります。119番通報もためらってはいけません。


 治療がうまくいっても、麻痺などの後遺症がのこる可能性の高い病気が脳卒中です。ですから予防が重要です。脳卒中は生活習慣病のひとつであり、高血圧、糖尿病、脂質異常症がもととなり生じることがほとんどです。そのため、脳卒中を予防するためには、減塩、カロリーを控える、動物性脂質のとりすぎに注意し、適度な運動をする、などの生活習慣病予防が重要です。また定期的に特定健診などで検査を行い、異常値があればかかりつけ医と相談の上、投薬をうけ、適切にコントロールすることが重要です。


(東住吉区医師会理事 葛本佳正)